ポマードとは?種類・選び方・ワックス・ジェルとの違いを徹底解説

ポマードとは?種類・選び方・ワックス・ジェルとの違いを徹底解説

KIOSQ FEATURE | 第1回 / 第2回:使い方・選び方(近日公開)
What is Pomade?

ポマードとは?

水性・油性・グリース・クレイ・クリーム——種類と歴史の完全ガイド
#ポマード #水性ポマード #ヘアグリース #O'Douds #FIRSTHAND #JSSloane #Bonafide
1920年代のバーバーショップ(Harris & Ewing撮影 / Library of Congress)

1920年代のアメリカン・バーバーショップ——ラジオが置かれ、男たちが集う社交の場だった(Library of Congress所蔵、パブリックドメイン)

「ポマードって昔の整髪料じゃないの?」——そう思っている方も多いかもしれません。でも現在のポマードは、スポーツ後でもスタイルが崩れない油性タイプ、天然由来成分のみを使ったクリームタイプ、強いホールドと高いツヤを両立するジェルグリースタイプ、マットな質感のクレイタイプなど、まったく新しいカテゴリーへと進化しています。

この記事でわかること:ポマードの定義と語源 / 油性・水性・グリース・クリーム・クレイの違い / 歴史と現代への進化 / ヘアワックス・ジェルとの違い / あなたに合うタイプ診断チャート / KIOSQ取扱ブランドの特徴

ポマードとは?— 定義と語源

語源は「リンゴ」

「ポマード(Pomade)」という言葉は、フランス語 pommade →イタリア語 pomata →ラテン語 pomum(リンゴ)に由来します。18世紀のヨーロッパでは、整髪料に香り付けとして熟れたリンゴをすり込んでいたためです。英語 pomade、日本語「ポマード」、そしてバーバーカルチャーで使われる「グリース」も、もとをたどれば同じ歴史に行き着きます。

現代における「ポマード」の定義

現代では、ポマードは「高いセット力とツヤ感を持ち、スタイルを長時間キープしながら再整髪も可能なスタイリング剤」として定義されます。油性・水性・クレイなど素材は多様化していますが、共通点は「固まりすぎず、コームやブラシで何度でも形を整えられる可塑性(やわらかさ)」にあります。これがヘアジェルとの最大の違いです。

日本での呼び方:ポマード vs グリース

日本では阪本高生堂の「クールグリース」シリーズが広く普及したことで、水性ポマードを「ヘアグリース(グリース)」と呼ぶ文化が定着しています。世界的には「グリース」は油性ポマードの一種を指すことが多いですが、日本では「水性ポマード全般」がグリースとして認識されているため、本記事ではその両方を扱います。

ポマードの歴史

1937年・上院議員会館のバーバーショップ(Harris & Ewing撮影) 1940年代・アメリカのバーバーショップ(FSA/OWI Collection)

1920〜50年代、バーバーショップはポマードとともに全盛期を迎えた(Library of Congress所蔵、パブリックドメイン)

18世紀 — ジョージア朝イングランド
ポマードの原型「pomatum」誕生
クマの脂肪・すりりんご・香料を混ぜた整髪料。上流階級がエラボレートなウィッグのスタイリングに使用。1873年には英国 Morgan's が初期の商業ポマードを発売。
1920〜1950年代 — 黄金時代
Murray's 創業 / ロックンロールの時代
石油(ペトロラタム)とミツロウが主成分となり大量生産が可能に。1925年にシカゴのバーバー C.D. Murray が Murray's Superior Pomade を創業。エルヴィス・プレスリーが象徴するロックンロール文化とともに、ポマードは文化的なピークへ。
1960〜80年代 — 衰退期
ジェル・スプレーに押される
ビートルズが自然なヘアスタイルを流行させ、ポマードは若者文化から遠ざかる。ヘアスプレー・ムース・ジェルが市場を席巻。
日本 — 阪本高生堂の貢献
水溶性ジェルグリースカテゴリーの確立
東京・文京区の阪本高生堂が「クールグリース」シリーズで水溶性ジェル整髪料を業務用市場に確立。従来の油性ポマードと同等のツヤ感を保ちながら、水だけで洗い流せる利便性を実現。2010年代には理美容師の口コミにより一般認知も大きく拡大。
日本 1990年代後半〜2000年代 — カリスマ美容師ブームとヘアワックスの台頭
ポマード・グリースから「ワックス」へ、日本の主役交代
バブル崩壊後の1990年代後半、日本では「カリスマ美容師ブーム」が社会現象となる。青山・原宿エリアのモード系サロンの美容師たちがファッション誌やテレビに登場し、高校生の「なりたい職業ランキング」1位を獲得するほどの熱狂を呼んだ。フジテレビ系深夜番組『シザーズリーグ』(1999〜2000年)、木村拓哉主演ドラマ『ビューティフルライフ』(2000年)がブームに拍車をかけ、美容学校の競争率が10倍を超えるサロンも出現した。

このブームが整髪料市場に与えた影響は絶大だった。カリスマ美容師たちが毛先を削いでレイヤーを入れ、「毛束をねじって動きを出す」スタイルを提案したことで、固まらず何度でも整え直せるヘアワックスがサロン発信で一気に普及。2000年代に入るとヘアワックスは整髪料市場の主役となり、「ワックスで毛束をネジネジする」スタイリングが若者の定番になった。マンダムの「ギャツビー ムービングラバー」(2006年発売)はその象徴的な製品だ。一方、ポマードやグリースはこの時代に「時代遅れの整髪料」として若年層から遠ざかり、バーバーショップ文化と一体となって徐々に周縁化される。
2010年代〜現在 — ポマードのサードウェーブ
独立系クラフトブランドの台頭
バーバーショップブームとSNSの爆発的普及で、大量生産品に対抗する独立系クラフトブランドが世界的に急成長。アプローチは異なるが、いずれも「大手ではなく、特定の哲学を軸に少量生産する」という同じ時代精神を共有している。

クリーン派:天然成分・ヴィーガン処方を主軸に、「何を使っているか」でブランドを定義。O'Douds(2014年)、FIRSTHAND がその代表。
ジェルグリース派:クールグリースが切り拓いた水性ジェルグリースの系譜を継ぎ、バーバーショップ向けの高いセット力とツヤ感を独立系ブランドとして再解釈。Bonafide(2012年)、JS Sloane がその代表。
📖 ポマードのサードウェーブとは コーヒー業界の「サードウェーブ」と同じ構造で、ポマードの歴史も3つのウェーブに整理できる。ファースト(〜1950年代):石油・ミツロウベースの大量生産品が主流、Murray'sやBrylcreamが象徴。セカンド(1960〜2000年代):水溶性技術が確立し、利便性を追求した製品が台頭。日本では阪本高生堂が「クールグリース」でカテゴリーを牽引。サード(2010年代〜):独立系クラフトブランドが大手と差別化。O'Douds・FIRSTHANDは天然成分・ヴィーガン処方を軸とする「クリーン派」、BonafideとJS Sloaneはクールグリースが確立したジェルグリースカテゴリーを独立系として継承する「ジェルグリース派」として、異なるアプローチで同じサードウェーブを形成している。KIOSQが取り扱う4ブランドは、いずれもこのサードウェーブを代表する存在だ。

ポマードの種類と特徴

現代のポマードは仕上がりの質感(ツヤ vs マット)とテクスチャーによって5つのカテゴリーに分類されます。KIOSQが取り扱う製品はすべて水性(ウォーターベース)なので、いずれもシャンプーで簡単に洗い流せます。

TYPE 01
ジェルグリース
Water-based Gel Grease
ツヤ感
セット力
再整髪性
ハイグロス 強セット力 スリックバック ポンパドール

クールグリースが確立したジェル型水性整髪料の系譜。高いツヤ感と強いセット力を持ちながら水で洗い流せる。スリックバックや七三分けなど、タイトにまとめるバーバースタイルに最適。

◎ 水で簡単に落ちる
TYPE 02
クリーム
Water-Based Cream Pomade
ツヤ感
セット力
髪への優しさ
天然成分 ヴィーガン ナチュラルフィニッシュ デイリー使い

ジェルグリースとワックスのいいとこ取りをしたタイプ。ナチュラルなツヤを保ちながら、タイトなスリックバックから毛先を動かすルーズなスタイルまで一本で対応できる汎用性が最大の特長。乾いた状態でも指で整え直せる再整髪性と、天然・植物由来成分ならではの保湿ケアも兼ね備えた万能タイプ。

○ 1〜2回シャンプーで落ちる
TYPE 03
マット
Matte Paste / Matte Cream
マット感
セット力
束感・形の定義
ツヤなし 束感 ビジネス向き 無造作スタイル

ツヤを抑えたマットな仕上がりで、毛束の輪郭を出したいときに最適。ペースト状またはクリーム状で伸びがよく、自然なテクスチャーを出しやすい。

△〜○ やや手間かかる
TYPE 04
クレイ
Clay Pomade / Clay
マット感
ボリューム・リフト
セット力
根元から立ち上げ ボリュームアップ テクスチャー ショート〜ミディアム

カオリンなどのクレイ成分が根元から髪を立ち上げ、ボリュームとリフトを生み出す。マットな仕上がりでナチュラルな動きを出したいときに最適。BONA FIDE・JS Sloane・FIRSTHANDがそれぞれ個性的なクレイ製品を展開している。

△〜○ やや手間かかる
TYPE 05
油性(オイルベース)
Oil-Based Pomade
ツヤ感
セット力
落としやすさ
Murray's ファーストウェーブ ロックンロール

石油(ペトロラタム)やミツロウを主体とした伝統的ポマード。圧倒的なツヤと強いセット力が特長だが、シャンプーで落ちにくく、複数回洗い必要。Murray'sやBrylcreem などが代表。

✕ シャンプー複数回必要
— KIOSQでは現在取り扱いなし —

ポマード vs ヘアワックス vs ヘアジェル

ひとことで言えば、ポマードは「ツヤと再整髪性を同時に実現する」唯一のカテゴリー。さらにジェルとクリームの2タイプで、全く異なるポジションを持ちます。

BONA FIDE スーパーホールド ジェルグリースタイプ O'Douds スタンダードポマード クリームタイプ

左:ジェルグリースタイプ(BONA FIDE スーパーホールド)/右:クリームタイプ(O'Douds スタンダードポマード)

ポマード
ジェルグリース
ポマード
クリームタイプ ★
ヘアワックス ヘアジェル
ツヤ感 高ツヤ・グロス ナチュラル〜セミグロス マット〜セミマット ウェットグロス
セット力 中〜強 弱〜中 強(固まる)
スタイルの幅 タイトなクラシックスタイル向き タイトなセットから毛先を動かすルーズスタイルまで対応 毛先の動き・無造作 ウェットスタイル・ハードセット
🔑 再整髪 ○ 水をつければ直せる ◎ 乾いた状態でも指で自由に直せる △ 乾燥後は崩れる × 固まると直せない
洗い落とし △ 落ちにくい
髪へのケア △〜○ ○〜◎(天然系は保湿効果)
代表商品 Bonafide、JS Sloane O'Douds、FIRSTHAND
💡 クリームタイプはジェルとワックスのいいとこ取り。高ツヤのジェルポマードがタイトなクラシックスタイルに特化するのに対し、クリームタイプはナチュラルなツヤを保ちながら、スリックバックのようなタイトなスタイルから、ワックスのように毛先を自由に動かすルーズなスタイルまで一本で対応できます。さらに乾いた状態でも指で再整髪できる柔軟性は、ジェルにもワックスにも出せない最大の強みです。

あなたに合うポマードのタイプは?

KIOSQが取り扱うポマードは、仕上がりの質感・セット力・髪への働きによって4つのタイプに分類されます。2つの質問に答えるだけで、あなたの髪質・好みに合った最適なタイプと具体的な商品がわかります。

Type Guide

あなたに合うポマードの種類は?

2つの質問に答えるだけで最適なタイプがわかります

Question 1 / 2

仕上がりのツヤ感はどちらが好みですか?

見た目の好みや使うシーンで選んでください

Question 2 / 2
💪

どのくらいのセット力が必要ですか?

スタイルのキープ力や髪の硬さ・使うシーンで選んでください

Question 2 / 2
🎨

マットでどんなスタイルを作りたいですか?

仕上がりのイメージで選んでください

KIOSQが取り扱うポマードブランド

KIOSQでは「天然成分・確かな品質・自分らしいスタイル」という哲学を共有する4つのアメリカ発クラフトブランドを日本正規代理店として取り扱っています。

O'Douds
2014年 / Houston, Texas
O'Douds
Built by Plants — 植物の力で美しく

2014年、創業者 Clay Douds がテキサス州ヒューストンのキッチンで少量バッチを手作りしてスタートした完全独立系ブランド。完全ヴィーガン・石油不使用・天然成分のみを徹底し、現在もヒューストン自社ラボで全製品をハンドメイド生産しています。Clay Douds 自らがブレンドする独自の天然香料(シダー×オレンジ、ベイラム×ブラッドオレンジなど)はコアファンの間で特に評価が高く、世界中のバーバーショップやセレクトショップで取り扱われています。

O'Doudsの商品を見る →
FIRSTHAND Supply
2016年 / アメリカ(自社工場製造)
FIRSTHAND Supply
Real Care, Real Good — 素材への誠実さと自社製造へのこだわり

「頭皮の炎症に悩んだことがブランドの出発点」——2016年、Josh Hester と Filipe Inancio が50回以上の試作を経てキッチンで最初のフォーミュラを完成させ、2017年に会社化。処方開発から製造まで完全自社管理することで、他社が真似できない品質水準と透明性を実現しています。パッケージには100%再生プラスチック(PCR)を使用するなど、サステナビリティへのコミットメントも本格的です。クレイポマードはGQ誌から「Best Men's Hair Clay」に選出されており、ホテルのアメニティとしても採用されるブランド認知度を誇ります。2024年にはブランドアイデンティティを刷新し、「Firsthand Supply」から「Firsthand」として新章をスタート。

FIRSTHANDの商品を見る →
JS Sloane
2012年 / New York, USA
JS Sloane
Hollywood's Golden Age — ダッパーな紳士のためのグルーミング

2012年、ニューヨークのJoann KunoとミュージシャンのSmutty Smiffが共同創業。ブランド名の「JS」はふたりのイニシャル、「Sloane」はSmuttyの地元ロンドンのSloane Squareに由来します。ふたりが共有していたのは、1930〜40年代のハリウッド黄金期へのリスペクト。スーツを誂え、ストレートシェービングを楽しみ、細部にまで気を配る「現代のダッパー紳士」のために、グルーミングをひとつの儀式として再定義しました。製品のコアはブリリアンチン(Brilliantine)——ヴィンテージポマードのホールド感とツヤをそのままに、水で簡単に洗い流せるよう現代的に再設計したジェルグリースです。

JS Sloaneの商品を見る →
Bona Fide Pomade
2012年 / Santa Ana, California
Bonafide Pomade
Genuine Quality — 誠実なモノづくり

「誠実な製品づくり」を意味するブランド名の通り、2012年カリフォルニア州サンタアナで Luis Moreno が創業したファミリービジネス。移民として渡米した Moreno が「大げさな主張をしない、正直で使えるポマード」を目指して小バッチ生産を続け、現在も自社店舗 Bona Fide Store & Barbershop を拠点にアメリカ国内製造にこだわっています。Instagramで自ら「Immigrant owned and operated」と掲げるそのスタンスが世界中のポマードファンの信頼を獲得し、日本向け公式アカウント(@bonafidepomade_jp)も存在するほど日本でも人気を集めています。

Bonafideの商品を見る →

よくある質問

ポマードは毎日使っても大丈夫?
水性タイプは毎日使用しても問題ありません。天然成分ベースのO'DoudsやFIRSTHANDは、使用を重ねるほど髪に潤いを与える処方です。毎晩しっかり洗い流すことが大切で、週1〜2回は製品を使わない日を設けると頭皮に優しいです。
油性ポマードは頭皮に悪いの?
石油系成分(ペトロラタム)は毛穴を塞ぎやすく、長期連用は頭皮環境に影響する可能性があります。毎日使うなら天然成分ベースの水性クリームタイプをおすすめします。油性ポマードはウィークエンドや特別なスタイリング時に限定して使うのが理想的です。
水性ポマードとヘアジェルの違いは?
最大の違いは「固まるかどうか」です。ヘアジェルはセット後に乾燥するとパリパリに固まり、再整髪が困難になります。水性ポマード(特にクリームタイプ)はセット後も柔軟性を保ち、一日中何度でもスタイルを直せます。
初めてポマードを使うなら何を買うべき?
毎日使いのファーストポマードには Bonafide Fiber Pomade(中ホールド・扱いやすい)か O'Douds Styling Treatment(軽めホールド・保湿重視)がおすすめです。強いセット力が必要なら FIRSTHAND All-Purpose Pomade も選択肢です。詳しくは「第2回:水性ポマードの使い方・選び方」で解説します。
「グリース」と「ポマード」は別物?
世界的には「グリース」は油性ポマードの一種を指しますが、日本では阪本高生堂「クールグリース」の普及により「水性ポマード全般=グリース」として使われています。KIOSQが扱うブランドはすべて「水性ポマード(クリーム/ペーストタイプ)」カテゴリーです。

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O'Douds・FIRSTHAND・JS Sloane・Bonafideを
日本正規代理店として取り扱っています

参考:Murray's Pomade 公式サイト、Wikipedia(Pomade / 阪本高生堂)、O'Douds 公式「Our Roots」、Pomade Wikipedia(英語版)、Verified Market Reports 2024、GQ US「Best Pomades for Men」

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